京都のGさんにご注文いただいた「5音笛」が完成しました。
以前購入された鳥笛やホイッスルのなかでも、
特に2筒構造の複音式のホイッスルの音色がおもしろいので、
2音ではなく5音が同時に鳴る笛をというご注文でした。
3音の和音笛ではなく、2音から4音の汽笛ふえでもない5音笛です。
Gさん曰く
「クラドニの図形の砂も5音を聞かせると、砂が立ち上がる」らしいです。
和音笛にも興味があったので、注文をお受けして製作を始めたのですが、
これが簡単そうでなかなかです。
5音はドミソシレ。
1オクターブ以上離れた5音を同時に吹き鳴らすと、
均等に配分された息圧では音量に差が出て、音が出ないものも出てきます。
かと言って、強く吹くと音程が上ずってしまって、
和音が心地よく響きません。
試作を重ねるうちに、
当初の思っていたものより大きくすると安定してきました。
木のブロックに5本の筒穴をあける方法よりも、
女竹を5本束ねる方法のほうが音鳴りが良いので、
調律した5本の女竹笛をヒノキ材の接合ブロック(吹き口)にはめ込んで、
息もれがないようにしっかり接着します。
その後再度一音ずつ音程をチェックします。
ブロックにはめ込んでから吹くと、息圧が変化するようで
音程が少しずれるので、最終の調律をして完成です。
純正律のドミソシレのテンションコードと言うのでしょうか。
素晴らしいハーモニーと言うより、優しい音の集まりという感じです。